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「Print & Cut」でアクリルや木材をレーザー加工する方法

Petra Berger
6. Jänner 2025 • 8 min

レーザー加工と印刷技術を組み合わせることで、新規事業への参入を目指す企業にとって新たな可能性をもたらします。特にレーザーカットは、さまざまな素材に対応できる柔軟性に加え、火炎研磨でアクリルの切断面を美しく仕上げるなど、後処理なしで優れた加工品質を実現できる点が大きな強みです。この特性を活かせば、印刷物をより魅力的に仕上げ、目を引くデザインの作成も簡単に行うことができます。ここでは、「Print & Cut(プリント&カット)」で印刷したアクリルや木材をレーザーカットする方法と、この技術がビジネスにどのような変革をもたらすかを解説します。

「Print & Cut」によるレーザーカット

「Print & Cut」とは、アクリルや木材にデザインを印刷した後、その印刷物をレーザーカッターで切断するプロセスを指します。まず、材料にデザインを印刷し、それをレーザーカッターにセット。レーザーカッターは印刷されたデザインの輪郭に合わせてプログラムされ、正確に切断を行います。この技術では、レジストレーションマーク(登録マーク)を活用することで、印刷されたデザインに対してレーザーカッターが自動で位置合わせを行い、正確なカットが可能になります。「Print & Cut」を効率よく行うためには、デザインと一緒に材料にレジストレーションマークを印刷することが重要です。これにより、レーザーカッターが正確な位置を認識し、形状や輪郭の加工をスムーズに行えます。この手法を活用すれば、企業は複雑なデザインを高精度かつ柔軟に制作できるようになります。

レーザーカット用「Print & Cut」ファイルの準備手順

以下の手順に従うことで、レーザーカットに最適な印刷ファイルを正確かつ効率的に準備でき、プロジェクト全体の品質向上につながります。

  • ドキュメント設定: 材料のサイズに合わせた寸法でドキュメントを設定します。
  • レイヤーの作成: カットライン、彫刻、その他のデザイン要素ごとに色を指定したレイヤーを作成することで、デザイン管理や修正が容易になります。
  • レジストレーションマーク: 切断時に正確に位置合わせをするため、デザインにレジストレーションマークを追加します。(画像の四隅付近に小さな円マークを配置します)
  • テキスト: フォント互換性を考慮し、すべてのテキストをアウトライン化することで、レーザーカッターがテキストを「形状」として認識します。
  • 確認・校正: ファイルを加工機に送信する前に、すべての要素が正しく配置されているかなど、確認作業を行います。
  • 加工機に送信: 校了後、レーザーソフトウェアRuby® で材料パラメーターを選択し、デザインをレーザージョブに変換し、「レーザーに送信」を押してください。「Vision Design & Position」カメラが、マークを1つずつ作業前に読み取り、カット輪郭を適切に調整します。

プリントされたアクリルをレーザーカットする際の注意点

「Print & Cut」アプリケーションで最良の結果を得るためには、厚さ3mm~10mm程度のアクリル板を使用するのが理想的です。押出成形アクリルは厚みのばらつきが少なく、精密な加工に適しています。一方、キャストアクリルは、店舗ディスプレイや展示ブースの施工、ビジュアルマーチャンダイジングなどの用途に最適です。レーザー加工を行う際は、部品のサイズや材料に合った加工台を選び、アクリルの種類や厚みに応じたレンズを使用してください。また、排気システムは、作業環境を清潔に保ち、安定した加工品質を維持するためにも非常に重要です。特に5mmを超える厚さの大型アクリル板を加工する場合には、材料への反射を抑え、接触点を最小限にするために、アクリルカッティングブレードの使用が推奨されます。これにより、素材へのダメージを防ぎつつ、仕上がり精度を高めることができます。

プリントされた木材をレーザーカットする際の注意点

プリントされた木材をレーザーカットする際に理想的な仕上がりを得るには、薄いベニヤ材から最大20mm程度の厚みの木材パネルを選ぶのが効果的です。MDF(中密度繊維板)や合板、ベニヤは、幅広い業界や用途で特に人気のある素材です。加工時には、最適な排気システムの完備と、圧縮空気を使用したエアアシストの活用が、きれいなカット面を実現するための重要なポイントとなります。焦げ跡を防ぐためには、材料に応じて高速でカットすることが大切です。加えて、低い周波数設定、小径レンズ、小さなノズル、そしてエア供給の使用により、より高品質な加工が可能になります。ほとんどのカット作業と同様に、アプリケーションのサイズに応じて、ハニカムテーブルの使用が推奨されます。

「Print & Cut」アプリケーションの 設定・速度・出力のポイント

「Print & Cut」を使ってプリントされた木材やアクリルを正確かつ効率的にレーザーカットするためには、設定・速度・出力のバランスが重要です。

  • 使用する材料の種類や構造、厚み、デザインの複雑さ、希望する加工スピードによって最適なカット条件は異なります。作業前には、レーザーカッター本体のキャリブレーションを正しく行うことが、精度の高いカットを実現するうえで不可欠です。特に、「Vision Print & Cutカメラ」を使用する場合は、専用チュートリアルを参考に、位置合わせを行ってください。 
  • また、加工中には煙や粉塵が発生するため、換気設備と排気システムを整えることで、作業環境の清潔さと安全性を保つことができます。
  • 切断速度や出力レベルは、加工する材料やデザインの内容に応じて調整が必要です。繊細な模様や薄い材料を扱う場合は、低速・低出力で慎重に加工することで、印刷面を傷つけず美しく仕上げることができます。一方で、厚みのある材料や単純な形状の場合は、高速・高出力の設定で効率的に作業を進めるのが効果的です。

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