--------------------------

正しいレンズの選び方

レンズ選びのチェック項目

「パラメーターに問題はなく、フォーカスもきちんと設定したのに、加工の仕上りが期待通りではなかった。」 こんな経験をしたことはありませんか?これは使用したレンズが適切でないことが原因として考えられます。正しいレンズの使用は、適切なパラメーターと最適なフォーカス調整と同様に、非常に重要な加工プロセスです。正しいレンズの選び方をしっかりとマスターしてください。

正しいレンズを選択するには、次の項目をチェックしてください。

  • レーザーの種類(CO₂、fiber、flexx)
  • 材料の種類
  • 加工データ/グラフィックの詳細レベル
  • 加工データ/グラフィックの解像度(dpi)
  • 材料の厚み

一般的なルール

レーザーとレンズの仕組みは、カメラに広角レンズやクローズアップレンズを使うことと同じです。レーザー加工機にもインチ別に様々なレンズの種類があります。インチの大きさは焦点距離を示しています。焦点距離とはレンズから材料までの距離です。一般的に加工データやグラフィックが繊細で詳細なほど、焦点距離の短いレンズを選んだ方がよいでしょう。厚みのある材料をカットする場合には、焦点距離の長いレンズをお奨めします。 詳しくは下記の表をご覧ください。

レンズの使用条件(Speedy&SPシリーズの場合)

SpeedyシリーズとSPシリーズの各レンズについて、推奨するレーザー加工の使用条件です。下記の表をご参考の上、用途や目的、材料に適した正しいレンズを選んで加工してください。

1.5 inch CO2 詳細なグラフィック(500dpi以上)、
細かい文字のゴムスタンプ
低出力レーザー、薄い材料(紙など)、
アクリル:6mm未満、木材:中程度の硬さで8mm未満
2.0 inch CO2 中程度の解像度と詳細なグラフィック
(500dpi、100dpiまでに下げた解像度)、標準的な彫刻
中出力レーザー、アクリル:8mm未満、
木材:中程度の硬さで12mm未満
2.0 inch CO2
クリアランスレンズ
-
(主にカット用)
2.0 inch レンズの欄を参照。
レーザーヘッドと材料との焦点距離を長くする。
特に材料やグラフィックによって長い焦点距離が必要な場合に有効。
2.5 inch CO2 詳細ではないグラフィック、低解像度(500dpi未満)、
感熱材料(ラミネートなど)
高出力レーザー、アクリル:12mm未満、
木材:中程度の硬さで15mm未満
(焦点距離が短い場合よりも、切断面の質が向上)
2.5 inch CO2
クリアランスレンズ
-
(主にカット用)
2.5 inch レンズの欄を参照。
レーザーヘッドと材料との焦点距離を長くする。
特に材料やグラフィックによって長い焦点距離が必要な場合に有効。
2.85 inch flexx Speedy 300 flexxの標準レンズ。
CO₂レーザーとファイバーレーザーの両方を透過し、
レンズ変更なしで2つの光源に使用可能。
特長は、2.5 inch CO₂レンズと3.2 inch ファイバーレンズと同様。
特長は、2.5 inch CO₂レンズと
3.2 inch ファイバーレンズと同様。
3.2 inch fiber 非常に小さい焦点直径を加工する
ファイバーレーザーの標準レンズ。
解像度500dpi以上の詳細なグラフィック。
 
 
3.75 inch CO2 SP500のロータリー彫刻用レンズ。
直径50mm以下の円筒形の彫刻が可能。
 
4.0 inch CO2 木材を焦がすことで彫刻。高出力レーザーで詳細ではない
グラフィックのレーザー彫刻が可能。
 
気泡ゴム
5.0 inch CO2 -
(彫刻は使用不可)
高出力レーザー、アクリル:25mm未満,
木材:中程度の硬さで20mm未満
(焦点距離が短い場合より、切断面の質が向上)
5.0 inch fiber 真平らではない材料をラベリングする際の
ファイバーレーザー用レンズ。
焦点距離が大きいほど、フォーカスする許容範囲が大きくなる。
 
7.5 inch CO2 (for SP1500) -
(彫刻は使用不可)
高出力レーザー、アクリル:40mm未満。
(焦点距離が短い場合よりも、切断面の質が向上)
レンズ 彫刻 / マーキングの使用条件 カットの使用条件

※上記のレンズはレーザー加工機の全機種に対応していません。機種とレンズの対応表はフォーカスレンズをご覧ください。


レーザーとレンズの仕組み

ビーム径(Beam diameter)
レーザービームの直径。フォーカスの前後で大きくなります。 レンズの焦点距離が長いほどビーム径も大きくなります。レーザーのエネルギーは、レンズ毎に定義されている焦点に収束されます。レンズの焦点距離が長いほど、レーザーのエネルギーが投射する表面積も広くなります。そのため、大きい(=焦点距離の長い)レンズを使用すると、材料は切断されずに加熱されるだけという結果になる場合があります。

焦点深度 (Focal depth)
ビームの直径が最も小さくなるエリアです。 レンズが大きいほど(=焦点距離が長いほど)、焦点深度も長くなります。つまり、5インチのレンズの焦点深度は、2.5インチのレンズの2倍となります。これは分厚い材料のレーザーカットの際に特に重要です。

焦点距離 (Focal length)
レンズと最小ビーム径(フォーカス)の間のこと。

フォーカス(Focus)
レーザービームが最適な位置でフォーカスされているエリア。ビーム径は最小に収束されています。


関連ページ

  • フォーカスレンズ
  • フォーカスレンズのクリーニング

さらに詳しい情報は・・・

正しいレンズの選び方について、さらに詳しい内容やご質問は、トロテックに直接お問い合わせください。

【お問い合わせ先】

  • Tel: 03-5826-8032

※受付時間:平日9:00~18:00(土日祝日および当社休業日を除く)

  • メール

下記の「お問い合わせ」をクリックし、お問い合わせページから質問事項をご記入ください。

レーザー専門家によるサポートを受ける

技術サポート
会員 troGROUP Logo