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レーザー彫刻の加工時間を
短縮できる「レリーフモード」

トロテックのレーザーソフトウェア、JobControl(ジョブコントロール)には、「レリーフモード」という機能があります。このレリーフモードとは、グラフィックデザインのグレー階調によってレーザー出力(W)を制御して彫刻できる機能です。つまり、グレー階調=パワー値で彫刻できます。 このレリーフモードを使うと、複数の彫刻による複数のパワーレベルをワン・オペレーション(一回の彫刻)で加工できるので、彫刻にかかるトータル時間を短縮して、生産性を上げることができます。 このページでは「レリーフモード」のメリットや使い方をご紹介します。

標準モードでレーザー彫刻

「標準モード」と「レリーフモード」:加工プロセスの違い

標準モード

標準モードでは、色々なRGBカラー(トロテックカラーは16色)を使って、JobControlの材料データベースでレーザー出力が設定されます。色毎にパラメーターを定義した彫刻の種類が複数ある場合は、色別に1加工ずつ彫刻していきます。

レリーフモード:3種類の彫刻は、1回の加工で完了

レリーフモード

一方、レリーフモードでは複数の彫刻と出力レベルが、ワン・オペレーション(一回の加工プロセス)で彫刻できます。レーザー出力は、グラフィックデザインのグレー階調によって決まります。つまり、白は0(ゼロ)パワーで、明るい色は低いパワーで、濃い色は強いパワーで、黒はフルパワーで彫刻されます。

レリーフモードでは、8ビットのグレースケール(256階調)が必要となります。カラー画像は、データ出力の過程で自動的にグレースケール画像に変換されます。

標準モードとレリーフモードの加工プロセスの違いを写真で比較してみましょう。写真は、カモフラージュのデザインを彫刻した例です。標準モード(A)では3種類の彫刻毎に3回の加工を行っていますが、レリーフモード(B)は3種類の彫刻を1回の加工で完了しています。

レーザーパラメーターの設定画面

「標準モード」と「レリーフモード」:加工時間の比較

再びカモフラージュ彫刻の例で、加工時間を比べてみましょう。

この例は、15×15 cmのグラフィックデザインをトロテック・レーザー加工機Speedy 300(60W)を使って、両モードとも同じスピードで彫刻しました。

標準モード(写真A)

  • 加工時間 37:47秒
  • 13:47秒では1種類目の彫刻のみ終了
  • 3種類毎の彫刻パラメーターを設定

レリーフモード(写真B)

  • 加工時間 13:47秒
  • 3種類の彫刻を1種類の彫刻パラメーターで設定

レリーフモードでは、加工時間を約2/3と大幅に短縮することができました。
設定した彫刻の色が2種類のみなら、生産性を約50%アップすることができるでしょう。

RGBとグレースケールのデザインデータ

彫刻効果(濃淡)の決め方は?

レリーフモードを使った彫刻効果(濃淡)の決め方は、先ず写真のようなグレースケールマトリックスを作成します。このマトリックスを実際に彫刻する素材で加工してみます。そこから希望の濃淡を選択します。このカモフラージュ彫刻では、マトリックスの22、30、50を選びました(写真参照)。

グレースケールマトリックスの作成方法についてはこちら↓
「レリーフモード」を使って、好みの濃淡をレーザー彫刻で表現する方法

ヒント

グレースケールマトリックスは、上記ページでダウンロードできるグラフィックデザイン(PNG形式のイメージファイル)と同じサイズで作成します。特にX軸の加速減速が重要なため、幅は同じ長さにしてください。加速距離の小さな違いでさえ、レーザーに敏感に反応する素材では重要な違いになることがあります。

木材にトロテックロゴをレリーフ彫刻

グラフィックデータの準備は?

グラフィックデータの編集は、このレリーフモードを使った彫刻で2番目に大切なステップです。一般的に色の設定は、RGBのカラーパレット(トロテックカラーは16色)から加工の種類別に割り当てます(写真のAを参照)が、レリーフモードでは、RGBカラー値ではなく、グレースケールマトリックスから選んだグレースケール値を適用します(写真のBを参照)。したがって、3色の彫刻は、グレースケールマトリックスの22%、30%、50%のグレー色に配色します。

レーザー彫刻の「標準モード」と「レリーフモード」加工時間の比較

データ出力の方法は?

「レリーフ」の選択がグレースケール加工では必須です。

先ずグラフィックデータをレーザー加工用データに出力する際、通常と同じ出力画面を表示します(グラフィックソフトの印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定)。

次にグラフィックデザインのサイズを入力します。そして、加工モードで「レリーフ」を選択します(写真の設定画面を参照)。

この例では、グラフィックデザインに割り当てられた3種類のグレー階調(22、30 、50)あります。実際のレーザー出力(W)は、パラメーターで設定したレーザー出力に対する3種類のグレースケール値に基づいて常に出力されます。つまり、グレースケール値が22%なら、パラメーターのデータベースで入力されたパワーの22%が出力されるということです。

レリーフモードを使ったレーザー彫刻

どのようなパラメーター設定が必要ですか?

グラフィックデータのグレースケール値でパワー(レーザー出力)をコントロールするので、特別な調整は必要ありません。

レリーフモードの出力設定画面

どのような加工にレリーフモードを使用すればよいですか?

基本的にレリーフモードは複数の彫刻パラメーターを一つのジョブで加工したい時に有効です。唯一必要な条件は、全彫刻パラメーターのZオフセット値を同一にします。

加工時間を短縮できるこの「レリーフモード」は、トロテック・レーザーの全機種に対応しています。


さらに詳しい情報は・・・

レリーフモードについて、さらに詳しい情報は、トロテック・レーザー・ジャパンに直接お問い合わせください。

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