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「Speedy flexxモデル」
の使い方

トロテックの「flexx(フレックス)モデル」は、
CO2レーザーとファイバーレーザーを1台に搭載したレーザー加工機です。
その機能と操作方法をご紹介します。

Speedy flexx レーザー加工機

flexx テクノロジーとは?その機能とは?

トロテックのSpeedyシリーズ 「flexx(フレックス)モデル」は、2種類の異なるレーザー発振器、CO2レーザーとファイバーレーザーを1台に搭載したレーザー加工機です。2種類のレーザー光源を利用できるので、加工用途の可能性は限りなく広がります。CO2レーザーは、アクリル、木材、ゴム、皮革など幅広い材料の彫刻やカットに、一方、ファイバーレーザーは、金属やプラスチックのマーキングに適しているからです。

1台に2種類のレーザー光源を搭載した flexxテクノロジー」は、トロテックが自社開発し、特許を取得した技術です。このflexxテクノロジーによって、1つの工程で2つのレーザー発振器を稼働することができます。材料に合わせてレーザーソフトウェアでパラメーターを設定し、この設定に従って2種類のレーザー光源がそれぞれ作動します。一つのジョブの工程で、レーザー発振器やレンズを手動で交換する必要がなく、また焦点も位置決め変更する必要がなく加工できます。つまり、ファイバーレーザーによるアニーリング・マーキングやメタル彫刻だけでなく、CO2レーザーによる多様な材料の加工も一度にできるので、利便性が向上し、一日の作業時間を短縮できます。


Speedy flexxレーザーで、加工できる材料は?

Speedy flexxのアプリケーション例

CO2レーザーの場合

  • 木材
  • 皮革(レザー)
  • アクリル
  • ガラス
  • 布地(テキスタイル)
  • 陽極酸化アルミニウム
  • 石材
  • 二層板
  • プラスチック

ファイバーレーザーの場合

  • プラスチック
  • ステンレススチール
  • アルミニウム
  • チタン
  • 亜鉛メッキやニッケルメッキの表面
  • 金(ゴールド)
  • 銀(シルバー)
  • プラチナ

2種類のレーザー光源を、同じ工程(ジョブ)で使用する方法

CO2レーザーかファイバーレーザーか、どちらのレーザー光源を使用するかは、パラメーター設定の材料データベース(CO2彫刻、ファイバー彫刻、CO2カット、ファイバーカット)の選択でコントロールできます。つまり、 レーザーソフトウェアで自動的に操作できます。

CO2レーザーとファイバーレーザーの焦点の差は、約7mmです。この数値は レーザーソフトウェアで固定値として保存されているので、一つのレーザー光源からもう一つのレーザー光源に切り替わる時は、自動的に加工テーブルが上下します。

CO2とファイバー用の「flexxレンズ」

CO2レーザーとファイバーレーザーでは、通常、それぞれ異なるレンズが必要ですが、トロテックのflexxモデルではCO2レーザーとファイバーレーザーの両方に対応したflexx(フレックス)用の2.85インチレンズを用意しています。

このflexxレンズなら、ほぼどのような材料でも高品質で微細な加工が可能です。このflexx レンズを使用すれば、両方のレーザーで加工する際にレンズ交換の必要はありません。

紙のグレースケールマトリックス加工

複数の材料のパラメーターは、どのように設定しますか?

2.85インチレンズを取り付けて、材料の焦点位置を決定します。それから通常と同様にそれぞれの材料で必要なパラメーターをテストします。

早くて簡単に最適なパラメーターを設定する方法はこちら↓

最適なパラメーターの設定方法

厚みの違う材料に、正しい焦点を位置決めする方法

  1. 彫刻とカットのパラメーターを入力
    最初にグラフィックソフトウェアでトロテック・カラーの16色を使用して、通常のように材料の彫刻とカットを定義します。次にレーザーソフトウェア(Ruby/JobControl)の材料データベースに、パフォーマンスやスピードなどのパラメーターを設定します。材料プロセスのZオフセットのパラメーターは、材料の焦点位置が異なる場合に使用します。
     
  2. 材料の厚みを測り、Zオフセットのパラメーターを計算
    このステップが重要です。それぞれの材料の厚みを測り、焦点位置を計算します。これは一つの材料の焦点位置が固定で、他の材料の焦点は固定された焦点位置に準拠しているからです。この差異は、予め決められたZオフセット値を使って計算します。

注意

焦点位置はとても重要なので正確でなければなりません。そこで、トロテックのflexxレンズを使用する場合は、ファイバーレーザーの焦点位置に合わせることをお薦めします。またflexxレンズのフォーカスツールは、ファイバーレーザー用に設定されているので、レーザーソフトウェアがCO2レーザーに切り替わった時、加工テーブルはソフトウェアで予め入力されたCO2レーザーの焦点位置(例7mm)に自動的に下降します。


例:ボールペンのパラメーター設定とZオフセットの計算方法

この例では、ボールペンのクリップ部分(金属)をファイバーレーザーでマーキング、本体部分(木材)をCO2レーザーで彫刻します。下記は、先で説明した2.85インチのflexxレンズを使ったパラメーターで、Zオフセット値を最終的に計算する際の基準になります。
  • 金属製のクリップ(ファイバー彫刻):P: 80%、v: 50%、20 kHz、Zオフセット: 0mm
  • 木製の本体 (CO2彫刻): P: 50%、v: 60%、1000ppi、Zオフセット: +2mm

ファイバーレーザーで加工する材料を開始位置とする場合に、焦点距離の違いを算出する方法

最終的なZオフセットを測定するために最初にどの材料の焦点位置に合わせるのかが重要です。先に説明した通り、ファイバーレーザーで加工する材料の焦点位置に合わせることを推奨します。 この例では金属製のクリップ部分になります。この2種類の焦点位置の差は3mmです(上下の内、上のイラスト参照)。焦点位置の差をなくすために、オフセットを考慮して次の通り計算します。 3mm(トレランス/材料の高さの差異)- 2mm(予め決められたZオフセット)= 1mm 注意:加工テーブルはこの差をなくすために上昇する必要があります。それがマイナス値を設定する理由です。最終パラメーターは以下の通りになります。
  • 金属製のクリップ(ファイバー彫刻):P: 80%、v: 50%、20 kHz、Zオフセット: 0mm
  • 木製の本体 (CO2彫刻): P: 50%、v: 60%、1000ppi、Zオフセット: -1mm
材料にフォーカスツールを合わせて焦点の位置決め

CO2レーザーで加工する材料を開始位置とする場合に、焦点距離の違いを算出する方法

最初にCO2レーザーの材料の焦点位置を決めることもあります。その場合、この例では木製の本体に焦点位置を合わせると、3mmの差をなくすために、ファイバーレーザーの焦点位置は下記の通りになります(上下の内、下のイラスト参照)。

  • 金属製のクリップ(ファイバー彫刻):P: 80%、v: 50%、20 kHz、Zオフセット: +3mm
  • 木製の本体 (CO2彫刻): P: 50%、v: 60%、1000ppi、z-offset: +2mm

CO2レーザーを焦点の開始位置とする方法は、高さの差異によるZオフセットが-5mm以下の場合に有効です。

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