ラスタライズの種類

ラスターアルゴリズム

写真のレーザー彫刻に役立つヒント

ラスターグラフィックスとは?

ラスターグラフィックスは、点(ドット)の集まりで画像を描いて表現しているデータです。個々の点をピクセル(pixel)といい、1ピクセル毎に色や濃度の情報を記録しています。この点(=ピクセル)の集まりとして構成された図をビットマップと言います。点が小さければ小さいほど、点の数が増えてデータ容量が大きくなり、画像の解像度が高くなり、いわゆる高画質データになります。ただし、ラスター形式の画像を拡大すると、輪郭がギザギザになったり、画像が荒くなるというデメリットがあります。一般的に写真には、このラスター形式が多く、代表的なファイル形式はPNG、JPEGなどです。

一方、ラスターグラフィックスと対比されるのが、ベクターグラフィックスです。ベクターグラフィックスは、点を数値で描いて表現しているデータです。画像を数値で記録しているので、画像が劣化することなく拡大縮小ができます。シンプルな図形やイラスト・線画の場合、ベクター形式の画像はサイズが軽く処理も速いですが、写真や細かい画像の場合は数値の指定が複雑になるので、ラスター形式の方が向いています。


ラスタライズとは?

一般的にラスタライズとは、ラスター形式以外(例:ベクター形式)の画像データをラスター形式にすることを言います。

グラフィックソフトウェアの印刷設定で画像をレーザー加工用のデータに出力する際、カラー画像(RGBの各階調)またはグレースケール画像(256階調)はJobControl®(ジョブコントロール)プリンタードライバーのラスタライズ機能でモノクロ画像(2階調)に変換されます。

ラスタライズで、画像データは、バイナリー(二進法)による「1=レーザーリング/0=レーザーリングなし」に処理され、カラーまたはグレースケールの画像データはレーザー彫刻できるように2値画像に変換されます。


JobControlのデータ出力に活用されているラスターアルゴリズム

ラスターアルゴリズムは、JobControl®プリンタードライバー(Trotec Engraver)のプロパティ(加工オプション)より選択できます。

グラフィックソフトウェアからデザインデータをレーザー加工機用データに出力する際、JobControlのプリンタードライバー(Trotec Engraver)で利用できる加工オプションは、次の6種類です。

  • グラフィックソフトの印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定 > 加工オプション>ハーフトーン調整
  1. ディザ生成
  2. Stucki(誤差拡散)
  3. Jarvis(誤差拡散)
  4. FloydSteinberg(誤差拡散)
  5. カラー
  6. モノクロ

上記の「ディザ生成」と「誤差確認(Stucki、Jarvis、FloydSteinberg)」がラスターアルゴリズムを活用した加工オプションです。

ディザ生成(ディザリング)

画像を白と黒の2色で表現する場合、閾値法の2値化で変換します。その方法は、色の濃度に応じて、一定の濃度以上は黒(例:0~127階調=0)、それ以下は白(例:128~255階調=255)と、0か255かの2値化されたモノクロに変換されるので、白と黒の間の中間色が表現できません。そこでディザリング(ディザ生成)という変換方法を用います。

ディザリングとは、見た目より実際に少ない色数で多くの階調を表現する方法です。人間の目は細かい部分にあまり敏感ではありません。その性質を利用し、複数のピクセルがあたかも1ピクセルであるかのように見せて画像を表現します。例えば、黒の1階調のピクセル4個で、5階調のピクセル1個に見せてグレースケールを表現し、僅か2階調で元画像のように表現します。1ピクセルが見えるくらいに拡大すると元画像の原型が全くわかりませんが、ピクセルの目立たないサイズで見ると元画像らしく見えます。オーダードディザリングとは、このディザリングを規則的な配列で形成した方法です。雑誌など印刷物のほとんどがこのディザ方法で滑らかな階調を表現しています。

誤差拡散

誤差拡散は、高度なアルゴリズムのディザリングです。この方法は、ピクセルのある色を別の色に変換した時、変換前の色と変換後の色の差(誤差)を周りのピクセルに振り分けます。JobControlレーザーソフトウェアでは、その振り分け方法によって、Stucki、Jarvis、FloydSteinbergの誤差拡散が選べます。

この3種類のアルゴリズム原理は同じです。Jarvisは、隣接するピクセルだけでなく、さらにそれらに隣接するピクセルにも誤差を拡散させます。Stuckiは、Jarvis を改良してやや高速化させたもので、見た目は若干シャープになります。FloydSteinbergは、隣接するピクセルにのみに誤差を拡散させます。

カラーとモノクロ

カラーとモノクロの加工オプションは、ディザ生成と誤差拡散と異なり、画像をグレースケールに変換しません。「カラー」を選択すると、グラフィックソフトウェアを使ってトロテックカラーの16色*で描かれたデザインデータを、レーザー加工用データ(ジョブ)として16色に色分けして出力します。JobControl画面の「材料テンプレートの設定」で、その配色に合わせてパラメーター値を定義していきます。「モノクロ」は、黒のみで描かれたデザインデータの出力として、主にスタンプ彫刻用のデザインに使用されます。

*JobControlのエキスパートバージョンは16色対応ですが、アドバンスバージョンは8色対応です。


どの加工オプションを選択すればよいですか?

加工オプションの選択は、材料やデザインによりますが、一般的なガイドラインは以下の通りです。

  • ディザ生成(モノクロ+ディザリングのデータ変換):
    写真の彫刻に使用。明暗コントラストがソフトなので、元画像がレーザー加工に適している写真に効果があります。例:大切な人の顔や大事な写真を鮮明に彫刻したい場合など。
  • 誤差拡散(モノクロ+誤差拡散のデータ変換):
    これも写真の彫刻に使用。このアルゴリズムは写真がもつたくさんの情報を処理できるので、細かくて複雑な写真、低解像度やコントラストがはっきりしない写真は、この加工オプションで最適化できます。例:建物や動物、赤ちゃんの顔写真など。
  • カラー(トロテック色に定義されたデータに変換):
    トロテックカラーで描かれたグラフィックデザインに使用。例:黒はラスターとして彫刻に、赤や青のカットラインは、ベクターとして使用されます。
  • モノクロ(閾値法の2値化):
    黒のみのグラフィックデータに使用。例:スタンプ用彫刻

写真彫刻のヒント

トロテックのJobControlレーザーソフトウェアを使えば、写真彫刻が簡単にできます。下記のページを参考にトロテックのレーザー加工機で写真彫刻にトライしてください。

写真をレーザー彫刻するヒント

表紙を写真彫刻したメニューブック(加工サンプル)