どうすれば材料に最適なパラメーターを設定できますか?

~早くて簡単に最適なレーザーパラメーターを設定する方法~

仕上りの美しい高品質なレーザー加工は、正しいパラメーター設定によって決まります。パラメーターは、下記項目の組合せで設定します。
  • Power(レーザー出力)
  • Speed(速度)
  • 解像度PPI/周波数Hz
  • Pass(繰返し)
  • Air Assist(エアアシスト)
  • Z-offset(Zオフセット):焦点をずらす操作です。

JobControl®ソフトウェアのパラメーター

JobControl material database
トロテックのJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアには、50種類に及ぶ材料を事前にテストしたパラメーター値がプレインストールされています。よって、基本的な材料については、加工テストをして最適なパラメーターの値を見つけ出す時間を節約できます。また、各材料/グループに2種類のパラメーターを用意しています。一つは品質に最適なパタメーターと、もう一つは速度に最適なパタメーターです。     「品質重視のパラメーター」は、複雑なディテール、フォントサイズの小さな文字、コントラストの強い彫刻にお薦めです。また、光沢のある、滑らかな断面のアクリルカットにも適しています。 「スピード重視のパラメーター」は、複雑な線やディテールの少ないシンプルな形やデザインにお薦めです。 トロテックでは常に新しい材料の加工テストを行い、新しい材料のパラメーターを材料データベースに追加しています。最新の材料データベースは、JobControlの最新版リリースにインストールされます。また、ウェブサイトにダウンロードできるパラメーターを掲載しています。もちろん、独自に設定したパラメーターを材料データベースにインポートすることも可能です。

材料データベースのパラメーターを応用した設定方法

材料データベースのパラメーターは全て、注意深いテストに基づいて設定された値ですが、アプリケーションによっては、視覚的に若干異なる仕上りが要求される場合があります。その際は、材料データベースのパラメーターを少しずつ調整してみます。例えば、木材の彫刻をもっと濃くしたい、深くしたい場合は、パワーを上げると材料にもっとエネルギーが照射されます。逆もまた同様に、もっと明るい彫刻をするにはパワーを下げます。もちろん、加工テストをしながら、最初から全て独自でパラメーターを探して見つけ出していくことも可能ですが、加工したい材料や目的のアプリケーションに最適なパラメーターを効率良く見つけるために、材料データベースのパラメーターを活用して、少しずつ調整しながら決定していくことをお薦めします。

微調整のヒント 加工テストでは、パラメーターの1項目のみを変更しながら進めることをお薦めします。例えば、最初はパワーを5~10%ずつ違った値でテストすることから始めます。それから同様にスピードを少しずつ変えた数値でテストします。最後に両方のパラメーター値を合わせます。この方法でパワーとスピードの変数を区分けし、それぞれのパラメーターがどう仕上りに影響するのかを判別することができます。


加工したい材料がデータベースにない場合、最も簡単にパラメーター設定する方法は?

通常、新しい材料を彫刻・カットする際は、速いスピード、かつ低いパワーを基準にテストします。この基準で始めると材料への負荷を低く抑えることができます。具体的に新素材のパラメーターを決める3つの方法をご紹介します。

彫刻のテンプレート:黒の四角形

初めて加工する材料のベストな彫刻パラメーターを見つけるには、CorelDRAWなどのグラフィックソフトで輪郭線のない黒の四角形(矩形)を描きます。四角形のサイズは材料サイズによりますが、標準サイズとして50x50mmを推奨します。パラメーター値は、低パワー(約10~20%)、最大スピード(100%)、500dpiの設定にします。

JobControlとレーザー加工機は双方向コミュニケーションを行っているので、低パワーで仕上りがよくない場合、JobControlツールバーにあるパラメーター値(P)を変えると、彫刻加工中でもパラメーターを変更することができます*。したがって、最初のステップではパワーの数値を2倍ずつ変更し、仕上りがどのように見えるかによって、ベストな設定が見つかるまでパワー値を上げたり、下げたりすることをお薦めします。

*加工中の変更は注意して行ってください。パラメーター値を正しく再現できなかったり、マシンの性能に影響を及ぼす場合がありますので、加工中、頻繁にパラメーターを変更することは避けてください。

レーザーパラメータの決定 - グレースケールマトリックス

彫刻のテンプレート:グレースケールマトリックス

レーザー加工では、パラメーターによって様々な明度を材料に表現することができます。マス目のようなグレースケールマトリックス(イメージ画像参照)を材料毎に作成して利用すると希望の濃度を早く簡単に見つけることができます。

グレースケールマトリックスの作成方法についてはこちら↓

「レリーフモード」を使って、好みの濃淡をレーザー彫刻で表現する方法

カットのテンプレート

スクリーンショットのグラフィックは、カットパラメーターをテストする良いサンプルです。大きさの異なる2カ所の角丸が描かれた四角形は、直線と曲線のカットをテストするのにメリットがあります。このグラフィックをレーザー加工用データとして出力し、低パワーと高スピード(5~10%を推奨)から始めて、加工テストで希望のクオリティを見つけましょう。

パラメーター設定の各項目にはどのような意味がありますか?

パラメーターを設定する際に、JobControl(ジョブコントロール)ソフトウェアの「材料データベース」を選択すると、表の項目にPower(パワー)、Speed(スピード)、PPI、Hz、Pass(繰返し)、Air Assist(エアアシスト)、Z-offset(Zオフセット)が表示されます。これらの項目について、詳しくは下記ページをご覧ください。

パラメーターの定義

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