レーザー加工機は、石に文字やイラスト・ロゴを彫刻することができます。またプリントのように写真を石板にマーキングすることもできます。しかし全ての石材にレーザー彫刻できるわけではありません。ここではレーザー加工機で石材を効果的にレーザー彫刻するためのヒントやコツをご紹介します。

※石材はレーザー加工機でカット(切断)できません。


レーザー彫刻に適しているのは、どのような石材ですか?

レーザーには表面が滑らかで磨いてある石、つまり鏡面仕上げのような石が、綺麗に仕上りよく彫刻できます。さらに石のカーブ面にレーザー彫刻すると、平面の箇所と同様な仕上りにならないため、できるだけ平らな石を選んで加工してください。または石の平らな面に加工してください。

表面に丸みを帯びた天然石にも彫刻することはできますが、写真のように粘土などを使って石を水平にセットしてください。またレーザーのフォーカス(焦点)は、彫刻する平均的な高さで位置決めし、できるだけ均一に彫刻できるようにします。

石材の色は、濃い色の方が彫刻のコントラストが映えます。

レーザー彫刻に適した石材

表面が滑らかで平らな石、鏡面仕上げのような石、強いコントラストの彫刻には濃い色の石

【例】

  • 天然石
  • 御影石(グラナイト、花崗岩)
  • 大理石(マーブル)
  • ペブルストーン、小石
  • 粘板岩
  • 玄武岩
  • 瑪瑙(メノウ、アゲート)
  • セラミック、磁器
  • モザイクタイル
  • レンガ
  • 珪藻土

石材の入手について

石材は、通販サイトやホームセンターのタイル&ストーンコーナーで石板・プレートが販売されています。小さな石材には、宝石やウォーリーストーン(中央がくぼんでいる石、指でくぼんだ部分を撫でてリラックスするため)などあります。河川敷の小石を使ってもよいでしょう。

また、様々な色の小さな大理石からできているモザイクタイルもお薦めです。モザイクタイルを使うと、レーザー彫刻に適した綺麗でお手頃な石が、一度にたくさん入手できます。マットやネットに接着したモザイクタイルを使用する場合は、ぬるま湯の石鹸水に浸して、タイル裏の接着剤を溶かしてタイルを剥がしてから加工してください。


石のレーザー彫刻で注意することは?

石をレーザー彫刻すると粉塵がでます。細かい粉塵がくっついて塊になることもあります。したがって彫刻を始める前にエアアシストのノズルからきちんと空気がでるか確認してください。加工時間が長いジョブの場合は、ノズルが粉塵で詰まり、レーザービームの照射パスをブロックしてしまう可能性がありますので、加工の途中でもエアアシストが機能しているか確認してください。ノズルが詰まったら、布で粉塵を拭き取るか、水でノズルを濯ぐと最適なパフォーマンスに復旧します。レンズやミラーの汚れも彫刻加工の合間にチェックしましょう。

石に付着している自然の汚れを取り除きたい時は、レーザー加工する前に水を湿らせた布か流水で石をクリーニングしてください。レーザー彫刻後に水で石を洗うと、石の表面の彫刻コントラストが強くなるかもしれませんが、粉塵と一緒に彫刻した部分も流してしまうかもしれませんので注意してください。


どのくらいの濃さで石を彫刻できますか?

石材は天然素材なので、彫刻の濃淡は石材によって異なります。どのくらいの濃淡で彫刻できるかは、下記の方法で彫刻テストをして調べてみましょう。

方法1:グレースケールマトリックス

この方法のメリットは、パワーによって彫刻の濃淡がひと目でわかることです。先ず3x3cmの平石を用意し、加工したい石材のグレースケールマトリックスを作成します。デザインデータは、「レリーフモードを使って、好みの濃淡をレーザー彫刻で表現する方法」を参考に作成してください。

パラメーターに関して、紙や木材と違い、硬い石の表面は、スロースピードとフルパワーで加工する必要があります。目安として、60Wのレーザー加工機には、レーザー出力100%、スピード約30%で加工してください。60W以下のレーザー加工機では、レーザー出力100%、スピード約15%で加工してください。このパラメーターで希望の仕上りにならなければ、スピードをさらに遅くしてマトリックスを再度作成してください。

方法2:グレースケールグラデーション

グレースケールグラデーションは、テスト領域が限られている場合に有効です。先ずグラフィックソフトで、黒100%から白100%までのグラデーションがある長方形を描きます。グレースケールマトリックスと同様に同じプリントドライバーとパラメーター設定を使用します(「レリーフモードを使って、好みの濃淡をレーザー彫刻で表現する方法」を参考)。適切なレーザー出力値がこの方法で測定できます。希望の濃淡が彫刻エリアの中心ならレーザーパワーを50%にします。濃いエリアに近ければ近いほど、出力するパワーが強くなります。この方法のメリットは、狭い加工スペースで濃淡テストできることです。


パラメーターデータ

石材のレーザーパラメーターについては、トロテックがこれまでテストしてきたデータをJobControl(ジョブコントロール)ソフトウェアの材料データベースに用意しています*。例えば、下記のパラメーターは、Speedy 360(100W)のレーザー加工機を使用した場合の数値です。ただし、最終的なパラメーター値は、使用するレーザー加工機のパワー(W)、石の素材、グラフィックデザイン等によって異なります。

*JobControlソフトウェアのバージョンによって、用意されている材料パラメーターの種類が異なります。

※下記データは参考値です。

  • 大理石(マーブル): パワー50%、スピード20%、周波数1000dpi、Zオフセット = -0.5mm
  • スレート: パワー20%、スピード100%、周波数500dpi
  • コンクリートブロック: パワー100%、スピード20%、周波数500dpi
  • 小石(ペブルストーン): パワー80%、スピード30%、周波数500dpi、 Zオフセット = +2 mm
  • 玄武岩: パワー12%、スピード50%、周波数500dpi、Z オフセット= -1 mm
  • 瑪瑙(アリゲート): パワー50%、スピード30%、周波数1000dpi、Zオフセット = +1.5 mm
  • レンガ: パワー100%、スピード30%、周波数500dpi、Zオフセット = +1.5 mm

一般的に濃い色の石の方が、彫刻のコントラストが映えますので、明るい石をレーザー彫刻する場合、強いコントラストに仕上げるために、加工後に色を彫刻に塗り込む作業をします。この方法は、次のセクションで御影石を例にしてご説明します。

ダウンロード ↓
石のレーザーパラメーター

※JobControlのパラメーターをインポートする際、データベースに同じファイル名が既存している場合は上書きされますのでご注意ください。


レーザー彫刻を改善するヒント

石の種類によっては、天然素材ために上手く彫刻できないことがあります。少しでも仕上り良く綺麗な彫刻ができるように、改善策をご紹介します。

Zオフセット値を変更する

Zオフセット値を変更すると彫刻の仕上りが比較的良くなることがあります。効果的な方法としては、Zオフセットの値を+1mmまたは-1mmずつ変更して、その仕上りを比較してみてください。特に硬い石は、彫刻に強いパワーを必要とするので、マイナスのZオフセット値にすると良いでしょう。

彫刻に色を入れる

写真のように明るい色の御影石など、石材の種類によってはレーザー加工した彫刻が鮮明に見えないことがあります。その場合、彫刻にアクリルペイント(または類似品のペイント)を塗り込むことで、コントラストの強い仕上りになります。この作業をするには、先ずマスキングテープで彫刻する石の表面を覆い、デザインをレーザー彫刻します。アクリルペイントを筆ブラシで彫刻した箇所に軽く塗ります。ペイントが完全に乾いたら、テープを剥がして残っている細かいテープを水で洗い流します。石の表面が滑らかで、細かく磨かれているほど、色入れ後の仕上りが良くなります。気泡が多く、ザラザラした表面の石では、デザインのアウトラインがすり減った風合いに仕上がるでしょう。

※このサンプルのアクリルペイントは、トロテックの商材を使用していますが、日本では商材を販売していません。詳しくは下記をご覧ください。

Trotec MaterialsのAcrylic Paint (英語)


関連ページ