導入事例「東京大学 筧康明研究室」

導入事例
「東京大学 筧康明研究室」

お問い合わせ
公開日: 11.11.2019

東京大学 筧康明(かけひ やすあき)研究室では、2017年にトロテックのレーザーカッター「Speedy 400」(スピーディ400)を導入し、研究領域や展示会などに幅広く活用されています。

具体的な活用例やレーザーカッター選定の重要点などについて、筧准教授にお話を伺いました。


東京大学 JST ERATO 川原万有情報網プロジェクト
筧康明研究室 

神奈川県横浜市中区山下町223-1 
NU関内ビル 202号室                      

ウェブサイト

・レーザーカッターの用途:

1)研究領域の一つとして、レーザーカッターを使ったモノづくりの在り方自体を研究すること

2)展示の制作、インターフェイス用の筐体や治具の制作

・使用機種:

Trotec Speedy 400(CO2、80W)1台、Atmos Duo Plus集塵脱臭装置(230V)1台


― レーザーカッターをどのように使用していますか?

【筧准教授】

コンピュータによってモノづくりをもっと簡単にしたり、速くしたり、もっと豊かなモノづくりをするための作り方自体が私の研究対象なので、そういう意味でデジタルファブリケーションの一部であるレーザーカッターを使ったモノづくりの在り方自体を研究することが使用例の一つになります。それ以外では世界中で展示を頻繁に行うので展示台の制作、インターフェイスを使う時の筐体や治具を素早く作成するのにレーザーカッターをフル活用しています。

― なぜトロテックのSpeedy 400を選んだのですか?

【筧准教授】

大きめの工作ができるレーザーカッターを探していました。レーザーカッターで切れる範囲や、3Dプリンターで造形できる範囲が私たちのアイデアを制約してしまうことがあるので、そこのレンジを広げられるとそれまでのインターフェイス等の設計が違う観点でモノづくりを展開できると思ったからです。大きいサイズのレーザーカッターはいくらでも挑戦したいのですが、ラボで運用するにはこの(Speedy 400の)サイズが丁度良いと思います。

私たちの活動は、教育でもあり、研究でもあるので、いかに速く、思いついたらすぐ作れるかが大事なんです。つまり、プロトタイピングをいかに速く回せるかが一番ですね。また、プロジェクトで研究を進めていたので大型でハイスペックのマシンを導入したいと思ったのも理由の一つです。

― トロテックを知った経緯は?

【筧准教授】

2013年にFAB9(第9回世界ファブラボ会議)が横浜で開催され、私はその会議をホストする仕事をしていました。その際に複数のレーザー加工機メーカーと知り合い、色々な装置を見たり体験したりする機会を得て、レーザーカッターを深く知ったのが最初です。

また、私が当時所属していた慶應義塾大学にトロテック社の小型レーザーが既に導入されていたので、実際に使ったことがありました。そして、そこでの評判も色々聞いていました。

― マシン選定の決め手は?

【筧准教授】

ファブ系の仲間たちに相談してトロテックに決めました。スペックも色々調べましたが、やはりスペックだけではなくて、実際の操作性や使い心地とか、どのくらい安定して稼働するかはカタログに載ってないですよね。さらに故障後、どれくらいで直ぐに治せるかは実際に運用している方々に聞くのが一番かと思います。

もちろんレーザーカッターだけではなくて、機械系の製品は故障と付き合っていかなければならないので、そういう情報はすごく大事です。

― 実際に使用してどうですか?

【筧准教授】

研究室はこのようなオフィスビルの中で活動しているので、臭いがあまりしない点、臭いを吸収してくれる点は助かっています。やはり臭いが問題になることが多いですよね。外に空気を逃がしてしまったりとか、中に臭いが漏れたりとか、そういう意味ではその辺が安定しているので、こういった環境の中でモノづくりしている研究者にとっては有利な点かと思います。

また使う上でもストレスなく使えて、大きな故障もしていませんし、先程も言ったように必要な時に必要なだけ作れるという状況にあるので大変満足しています。

後は私たちが使いきれていないファンクションがあって、マシンのポテンシャルを全部活かしきれていないと思っているので使いこなしたいですね。例えば、マシンの背面部分を開けてパススルーの機能を使うことができれば、もう少し大きなモノが切れると思っています。

― レーザーカッターの将来的な可能性とは?

【筧准教授】

私たちはレーザーカッターを2次元のモノを切るだけのマシン、つまり単純に切削の加工機だけとして使うのではなくて、レーザーカッターのポテンシャルをもっと違うモノづくりにも適用しようということ自体を研究しようとしています。例えば、レーザーカッターを局所的に空間に必要な熱を届けるというマシンとして考えると、もっとこれによって表現できることがあると考えています。さらに素材の選択性、つまり加工できる素材が広がると、色々なところに局所的にレーザーカッターで熱を照射でき、もっと色々なモノづくりを促進できる可能性があると思っています。


東京大学 JST ERATO 川原万有情報網プロジェクト 筧康明研究室

筧研究室は、元々、人とコンピュータをつなぐインターフェイスをデザインする「ヒューマン・コンピュータ・インタラクション」の領域で活動してきました。最近ではAR(拡張現実)の領域でデジタル環境と物理的な環境を重ね合わせたり、いかにつなぐかについてのつなぐ道具や手段を研究しています。

また、ただつなぐだけではなくそれによって人のコミュニケーションがどう変わるか、創造性が喚起されるかなど、デジタルとフィジカルの両方のメリットうまく使うことによって、人とモノ、人と環境の繋がり方をデザインしていこうというのが研究のベースです。

そのためにインターフェイスデザインとして、画面の中に閉じた環境だけではなくて、手で触れるものとか、最近ではモノ自体のカタチとか、動きとか色とかがもっとダイナミックに変わっていくようなモノを素材から作って、それをまた新しいディスプレイや新しいインターフェイスとして活用することを研究しています。さらに、これらはメディアアートという領域で、作品というカタチでも発表しています。

ERATO(エラート)とは、科学技術振興機構(JST)の研究プロジェクトのカテゴリー名で、複数の研究室と一緒にプロジェクトを実施しています。

レーザーカッターを活用したプロジェクト/展示作品

Blowfab

Blowfabとは、レーザーカットとブロー成形を組み合わせることで、高速に再利用可能な2.5Dオブジェクトを作成できるプロトタイピング手法です。筧研究室では、3Dプリンターによる立体物の造形にはかなり時間を要するため、短時間に立体物をつくれないかというアプローチから高速加工できるレーザーカッターの利点を活かして、PET(多層構造のプラスチック板)を使ってレーザーカッターだけで立体的なオブジェクトを作る研究を行っています。この手法は、現場で必要なモノをすぐ作れるので災害時のお皿や椅子などに活用できると考えられています。

→ 詳しくはこちら

Heteroweave 003 <form>(西陣織プロジェクト) 

高吸水性の素材「合成セーム革」をレーザーカッターで裁断し、西陣織で立体的なオブジェクトを造形します。この素材は、吸水すると柔らかく、乾燥すると硬くなるという性質を利用して、西陣織の美しさを有しながら、さらに「作り替え」「収納」可能な新しい立体プロダクトとしての応用可能性を研究しています。

筧 康明(かけひ やすあき)

  • 東京大学 大学院情報学環 准教授 
  • メディアアーティスト、研究者
  • l2007年3月:東京大学 大学院学際情報学府 博士課程修了

活動内容:物理的な素材の特性を活かした新しいディスプレイや人間の感覚を刺激し知覚を変容させるインターフェイス、即興的なモノづくりのための造作・表現ツールなど、デジタル技術を通して物理世界での体験を拡張するインタラクティブメディアの研究に取り組む。その活動はエンジニアリング、アート、デザインの境界を超え、Ars Electronica Festival(オーストリア)、SIGGRAPH(アメリカ)、文化庁メディア芸術祭をはじめ国内外で発表される。

(取材2019年7月)

※本文に記載しているお客様の内容および機械の機能・効果・仕様等は、取材時の情報です。


ラボや研究室のレーザーカッターならトロテック!

トロテックのレーザーカッターは、東京大学をはじめ、京都大学や東京藝術大学など約100校以上の学校や研究室で、課題制作、プロジェクト研究、プロトタイピング、ワークショップ等に活用されています。それはトロテックのレーザーカッターが、に教育研究機関に最も適したデジタル工作機械として選ばれているからと言えます。

その他の導入事例はこちら↓
導入事例

教育研究機関にレーザーカッターの導入をご検討の方は、トロテック・レーザー・ジャパンにお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

・Tel: 03-5826-8032

※受付時間:平日9:00~18:00(土日祝日および当社休業日を除く)

・メール

下記の「お問い合わせ」をクリックし、お問い合わせページから質問事項をご記入ください。