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株式会社サンコー

東京・墨田区で50年続く印刷会社

レーザーカッターの導入で「おもいをカタチにする手段」を拡大

株式会社サンコーは、墨田区で50年続く印刷会社です。

2016年にトロテックのレーザーカッターを導入し、東京スカイツリーのグッズ製作や北斎版画のワークショップなど地域の観光・文化・芸術と融合した新規ビジネスを展開しています。

株式会社サンコー

東京都墨田区亀沢4-21-3 ケイエスビル ウェブサイト
※同ビルにて「co-lab墨田亀沢」(クリエイター専用シェアオフィス)を運営

レーザーカッターの用途
  1. 複合的な新規ビジネスへの展開(限定グッズ、ノベルティ、クリエーション・ツール等)
  2. 地域特性を活かしたワークショップ
使用機種
  • Trotec Speedy 100 レーザーカッター (CO2、60W)
  • Atmos Mono集塵脱臭装置 (100V)

なぜトロテックのレーザーカッターを導入したのですか。

【有薗悦克氏】印刷業=印刷屋さんと定義してしまうと、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の氷屋さんになってしまうのです。電気冷蔵庫の出現により、氷冷蔵庫の氷が売れなくなり、リヤカーが捨てられるシーンが出てきます。

そこで自社の事業ドメインを「おもいをカタチにする仕事」に定義し直しました。同時に、レーザー加工を外部に依頼する機会が増えたので、クリエイティブ・ワークにも取り組み、カタチにする手段を拡げていきたいと思い、レーザーカッターを導入することにしました。

同区で既に3社がトロテックを導入していますから、墨田区で赤いマシンと言えば、トロテックのレーザーしかないです。

【有薗社長】印刷機は1台1億円近くし、耐用年数は約15~20年くらいです。近年は印刷自体の単価が下がり、印刷の量も減ってきました。機械は有ることが会社のメリットにならなければならないし、表現方法は色々あった方がビジネスとして便利です。

そこでレーザーカッターを導入して、印刷だけではなく、様々なビジネスを複合的に展開しています。シェアオフィスのco-lab墨田亀沢も、版画のワークショップもその一つです。

どのようにレーザーカッターを活用されていますか。

【有薗悦克氏】綺麗に色を表現できる印刷屋のノウハウを活かして、ワークショップの開催や限定グッズの製作などにレーザーカッターを使用しています。サンコーではこんなモノも作れるんだと、既存のお客様の受注拡大につながっていることが今は多いです。

【西氏】例えば、アクリルを加工した年間カレンダーなど、営業回りでそれらのサンプルを持って紹介しています。

【大矢氏】細部を再現できるのは、本当にレーザーならではと思います。しかもトロテック機なら、パスを作成した順番に関係なく(最初に内部ジオメトリ機能で)内側から順に抜いてくれるのでデータ作成時にとても助かります。機械としての使い勝手は抜群に簡単な方だと思います。自分と相性がよかっただけかもしれませんが、直感で分かることが多かったです。さらに加工時間が表示されるので、見積りや作業計画が効率良く立てられます。

【越村氏】デジタル版画のワークショップ用に加工した版木は、レーザーカッターの精度が良すぎて、かなり細かいところまで彫刻されているので、参加者の皆さんに絵具を塗り過ぎないよう注意してくださいとアドバイスしています。

レーザーカッターを活用した、今後のビジネスプランを教えてください。

【有薗社長】次のワークショップでは北斎のどの浮世絵で版を製作しようかと模索しています。グラデーションを沢山使うと刷りが難しいので検討している最中です。

レーザーは色々なことが実現できるので、まだ僕らが頭に描いていないものができるかもしれません。プロデュースや企画力でお客様の悩みを聞きながら、レーザーカッターも活用してお客様の悩みを解決できたらと思っています。

ワークショップ「デジタル版画で北斎を刷ろう!」

株式会社サンコーは、2017年9月~11月にすみだ北斎美術館とco-lab墨田亀沢で、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」版画が体験できるワークショップを全14回にわたって開催しました。レーザーカッターの彫刻加工で北斎の浪裏を見事に再現した版木に、参加者が筆、ブラシ、バレンを使って1版ずつ絵具を塗り、全6版の刷り作業を行い、世界に一つだけの北斎版画を完成させます。

江戸時代の浮世絵は、「絵師」、「彫師」、「摺師」と、この3職人を統括する「版元」によって製作されます。デジタル版画では、印刷の色分解と呼ばれる技術を応用して、色毎のデジタルデータを作成します。そのデータをレーザーカッターで版木となる板材に彫刻します。職人技を必要とする彫りの工程にデジタル技術を用いることで、人の手では難しい小さなサイズの版木製作が可能になりました。

【有薗社長】このワークショップは、墨田区の文化芸術プロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢(通称:すみゆめ)」のイベントとして実施されています。デジタル版画は、色分解できる技術をもった印刷会社の我々がやるのが良いのではと思ってスタートしました。

版画は実際にプロの摺師や彫師の仕事場を見に行って教えてもらいました。特に版を彫る工程が大変難しいらしく、浮世絵木版画保存協会の役員の方が、逆にレーザーでどこまで彫れるのかを弊社に見に来たこともあります。

8名参加のワークショップでは、4セット×6版で計24版を用意します。硬い木材が版木に適していて、使用しているのは山桜です。レーザーで彫刻した後、一度洗って焼きを落としています。

このワークショップはTV番組で放送されたこともあり、各開催日の申込みが全て満員になりました。確かに会社の宣伝効果は大きいですが、何よりも北斎版画を刷った方が喜んでお帰りになる。そこに価値があるのではないかと思っています。

(取材2017年7月と10月)
※本文に記載している機械の機能・効果・仕様等は、取材時の情報です。

Speedyシリーズ
ビジネスを始めるにも、生産能力を高めるにも理想的な環境です。

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