名古屋造形大学
名古屋造形大学は、2022年4月に新キャンパスへ移転し、様々な工房を集めたエリア「ファクトリー」を整備されました。そこには工房スタッフが常駐し、やりたいことを実践する場所となっています。その中で、デジタルファブリケーション室に導入するレーザー加工機にトロテックの「Speedy 100」と「Speedy300」が選ばれました。それらが教育・研究にどのように活かされているのか、同大学の准教授の鈴木様と工房スタッフ(技術職員)の渡辺様にお話をうかがいました。
建築・インテリア分野の模型のマテリアルに活用
本学はアート、デザイン、エンタテインメント、建築インテリア、メディアといった分野の教育・研究活動を行う大学です。新たな文化・芸術活動の拠点となることを目標に掲げています。本学ではレーザー加工機を、作品を生み出すためのパーツやマテリアル(材料作り)として活用しています。例えば、画用紙を用いた建築模型に必要な人形や家具の作成、作品を作り上げるために必要なパーツ・マテリアル、治具、型・版作りなどにも活躍しています。
特に、建築模型のマテリアルは、人形や樹木家具など同じカタチを大量に必要とすることが多いため、データさえ作ってしまえば手作業に比べて格段に効率が良くなります。また仕上がりも揃うため、全体のクオリティも上がります。人の手で行っていた作業を機械に任せて効率化することで、デザインそのものにかける時間を増やすことも可能となるのです。
予定通りにカットが終わらず時間のロスが多かった
レーザー加工機の使用希望が出ると、工房スタッフがデータを預かり、不備がないかデータをチェックします。また実際にレーザー加工機を操作して、作品づくりもサポートします。以前はレーザー加工機が1台しかなく、加工スピードも遅かったため、順番待ちや予約が入れられないなどのクレームも発生していました。卒業制作が絡む学期末や芸術祭などのイベント前には、利用希望者が増え、深夜まで作業をしたりすることもありました。予定していた時間にカットが終えられず、時間のロスが発生していたこともストレスになっていました。
本学は、前述のように2022年4月に名古屋市北区名城という都心に移転したのを機に、学生や教員から要望が多かったCO2のレーザー加工機2機種を導入しました。移転前から使っていたレーザー加工機と同サイズの「Speedy 300」とより小回りがきくコンパクトタイプ「Speedy 100」を選定しました。
正確に、スピーディーに加工できるマシンを探していた
この2機種を選んだ理由は、加工スピードが速く、精度が高いことです。プロダクトデザインは、予算を前提にして作品を作ります。スピーディーに加工できる効率性とこちらが意図した形や原型を正確に作れることが重要です。型や原型が正確でなければ、作品の仕上がりにも影響します。手作業では難しい正確なカットが素早く、安定して行えるマシンを求めていました。本学の教員がイベントでトロテックマシンによるデモンストレーションを見たことがあり「このレーザー加工機を導入したい」と話していたことも決め手となりました。
加工スピードが以前使用していたものよりも目に見えて速いので、学生も驚いています。実際に導入してみて、作業効率が上がっていることを感じています。埃が入らないようにしっかりと設計されていて、メンテナンスが楽だということも魅力の1つです。操作方法もわかりやすく、マニュアルも用意されているので、工房スタッフ全員がすぐに使えるようになりました。サポートも充実しており、不明な点があれば電話で聞くこともでき、安心して使用できます。また、集塵機が一体となっており、 レーザー加工機を動かすと同時に集塵機も稼働するため、臭いも気になりません。見た目もシンプルなので、デザインを学ぶ大学に置くマシンとて、ぴったりだと思います。
レーザーを作品制作の手段の選択肢に
本学では、何を作りたいかによって、あらゆる手法の中から最適な方法を考え、試し、選択するように指導しています。そういった意味ではレーザー加工も、様々な制作方法のうちのひとつです。学生もレーザー加工を当たり前に使える1つの選択肢として考えています。アーティスト・デザイナーを志す学生を指導する立場として、作品制作における選択肢や手段のストックを増やしていってほしいので、優れたレーザー加工機を備えた新環境を提供できたことは良かったと思います。アナログで手で作ることも大切ですが、これからはデジタル機器なしでの、ものづくりは考えられません。今後、多様な経験を経た学生が巣立っていきますが、社会へ積極的にかかわり、新しい発想を持ったアーティスト・デザイナーとして、新キャンパスから巣立っていって欲しいですね。
トロテックのレーザー加工機は、加工精度が高いので正確さが求められる作品の材料作りに役立ちます。