情報科学芸術大学院大学
IAMAS
情報科学芸術大学院大学は、メディア表現研究において「高度な表現者」を養成するために、岐阜県が2001年に開学した大学院大学です。
英語名称Institute of Advanced Media Arts and Sciencesの頭文字から通称IAMAS(イアマス)と呼ばれています。
2016年、附置機関である産業文化研究センターにトロテックの中型レーザー加工機 Speedy 300 (スピーディ300)を導入し、作品制作、研究、デジタルファブリケーション、遠隔制作活動等に活用しています。
トロテックのレーザー加工機について、情報科学芸術大学院大学 小林教授と産業文化研究センター 伊澤氏にアンケート形式でご回答いただきました。
IAMASご回答者
情報科学芸術大学院大学 教授 小林 茂
産業文化研究センター 技術支援専門職 伊澤 宥依
(敬称略)
情報科学芸術大学院大学[IAMAS]
岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7
レーザー加工機の用途
- 作品制作、研究、デジタルファブリケーション、遠隔制作活動
使用機種
- Speedy 300 レーザー加工機(CO2:30W)1台
- Atmos Mono 集塵脱臭装置(115V)1台
使用グラフィックソフト
- Adobe Illustrator、Rhinoceros、Fusion360
レーザー加工機をどのように使用していますか?
【IAMAS】レーザー加工機にしかできない細いカットラインを活かして、作品制作や研究のメインとして扱うこともあれば、ちょっとしたパーツや映像作品の小道具や、パーツを組み合わせて巨大な作品を作るなど、様々な制作で使用しています。
また、CNC切削機と同じデータを使用できるので、CNC切削機のスケールモデルをレーザーで制作してデザインを検討しています。
加えて、レーザー加工機を使って早いサイクルの制作手順を体験し、理解することで、他のデジタルファブリケーションにも挑戦しやすくなりますので、そのような目的でも活用しています。
さらにレーザー加工機は、データがあれば誰でも同じものが出力できるので、入校禁止期間に遠隔での制作活動を提案できました。
なぜレーザー加工機を導入したのですか?
【IAMAS】レーザー加工機の導入以前に3Dプリンターを導入していましたので、データを介したものづくりというのは実験していました。ただ、3Dプリンターでは材料や加工方法に制限があるため、レーザー加工機を導入することになったのです。
トロテックを選んだ理由を教えてください。
【IAMAS】以前に導入した小型のレーザー加工機の需要が高くなり、より加工範囲が広く、スピードも速い2台目を導入することになりました。当時、教育機関やファブ施設でのトロテックの導入事例はまだ少なく、他社製品も含めて慎重に検討しました。最終的には、導入後、数年に渡って使用することを考慮し、販売代理店ではなくメーカーの日本法人があり購入後のサポートがしっかりしていることを、性能とともに重視しました。
運用面では集塵機が連動していること、ファイバーレーザーを追加できるなど、将来的な使い方に合わせて変更できる部分も加味しています。
トロテックを導入して良かった点は?
【IAMAS】トロテックのレーザー加工機は、安定した精度で速く加工ができ、加工時間の見積がしっかり機能しているので、特に忙しい展示時期は重宝しています。
ものづくりに馴染みのない学生にとっては、ものづくりのハードルを下げてくれます。また、手作業に慣れてる学生にとっては、新たな表現手法を実験できます。レーザー加工機は、同じデータを共有でき、動き方が参考にできるので、他のデジタルファブリケーションを使う入り口にもなっています
現在、そして将来、教育分野において、レーザー加工機はどのような役割を果たすとお考えでしょうか?
【IAMAS】デジタルファブリケーションを使用することは、データ、加工、出力物というものづくりにおける全ての工程を通して自分の興味を探り、より意識的に取り組むために必要な作業です。レーザー加工機は他のデジタルファブリケーションに比べ、加工速度が速いのでトライアンドエラーのサイクルが早く、短い期間でものづくりの考え方や技術を学ぶことができ、新しい作品のヒントも得ることができます。今後もアイディアをすぐ形にするツールとして活用されていくと考えています。