母の日のブーケ
母の日のプレゼントに、アクリルと木材をレーザー加工したブーケの作り方をご紹介します。
準備
材料
-
- ウォールナット材:600x300mm、厚さ5mm、1枚
- メープル化粧合板:600x300mm、厚さ3mm、1枚
- 透明グリーンのアクリルガラス、キャスト材、光沢仕上げ:606 x 301 mm、厚さ3mm、1枚
- 透明アクリルガラス、キャスト材:606 x 301 mm、厚さ10mm、1枚
備品:
- ホットエアーガン
- ベンチバイス(万力、固定工具)
- 作業用手袋/軍手
このサンプルの材料は、トロテック・レーザー(オーストリア本社)が販売しているレーザー加工用の材料「トロテック商材」を使用しています。
※トロテック商材は日本で販売しておりません。類似品をご利用ください。
使用機種
- Speedy 400
- 100W
- 10mmの透明アクリルガラス用:2.5インチレンズ、その他:2.0インチレンズ
※他のSpeedyシリーズのモデルでも加工できます。
アクセサリー
- バキュームテーブル + アクリル カッティング グリッド(アクリル用)
- バキュームテーブル + ハニカムカッティングテーブル(木材用)
ステップ・バイ・ステップ
ステップ1:デザインのデータ出力(透明アクリルのベースプレート)
このページ下のデザインファイルをダウンロードして、cdrかpdfファイルをグラフィックソフト(CorelDRAWまたはIllustrator)で開きます。
次にベースプレート部分のデザインをレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力します。ベースプレートのデザイン(basement troglass clear)を選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷のOKを押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
カットジョブ | 1000 dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ 最初に内部ジオメトリ |
ステップ2:レーザー加工(透明アクリルのベースプレート)
レーザーでアクリルをカットしてベースプレートを作ります。先ず厚さ10mmの透明なアクリルガラスをアクリル カッティング グリッドの加工テーブル上にセットし、2.5インチレンズを取り付けます。
次にJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ1でデータ出力したジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
パラメーター設定(カット)
カラー | 加工の種類 | パワー(%) | スピード(%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
red | Cut CO2 | 95 | 0.2 | 20000 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | -3 mm | - |
ヒント
1) パラメーターは、加工する材料の材質や色、そしてレーザー加工機の機種やレーザー出力(W)によって異なります。仕上がりの良い最適な加工を検出するために、いくつかのパラメーターでテストすることをお薦めします。
2) このサンプルでは、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアの標準パラメーターTroGlass Clear を使用しています。
ステップ3:デザインのデータ出力(葉)
このページ下のデザインファイル(cdrかpdfファイル)をグラフィックソフト(CorelDRAWまたはIllustrator)で開きます。
次に葉のデザインをレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力します。葉のデザイン(grass troglass dark green)を選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷を押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
標準 | 500 dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
カラー | 高度なジオメトリ |
ステップ4:レーザー加工(葉)
透明グリーンのアクリルガラスをアクリル カッティング グリッドの加工テーブルにセットします。この材料のカットと彫刻には2.0インチレンズを使用します。
次にJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ3でデータ出力したジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
パラメーター設定
レーザー加工 | カラー | 加工の種類 | パワー (%) | スピード (%) |
---|---|---|---|---|
彫刻 | 黒 | 彫刻 CO2 | 14 | 20 |
カット | 赤 | カット CO2 | 100 | 1 |
周波数(ppi/Hz) | パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|---|
500 | 1 | on | - | 高品質 |
1000 | 1 | on | - | - |
ヒント
彫刻は下から上へ加工するよう設定すると、塵やカスがよく吸引されるので、仕上げのクリーニング作業が簡単です。
【設定方法】JobControl画面のメニューバーから「テンプレート」→「テンプレートの設定」の「開始位置」で「bottom」を選択します。
ステップ5:デザインのデータ出力(茎)
木材パーツのデザイン(stalk solid wood)をレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力して、茎(くき)を作ります。茎のデザインを選択し、グラフィックソフトの印刷でプリンター「Trotec Engraver」を選択、環境設定をクリック、出力設定タブを表示して下記を設定します。設定が完了したら最後に印刷を押すと、JobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアにデータが出力され、自動でジョブが生成されます。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
カットジョブ | 1000 dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
- | 高度なジオメトリ |
ステップ6:レーザー加工(茎)
アクリル カッティング グリッドからハニカムカッティングテーブルに交換して、ウォールナット材を加工テーブル上にセットします。次にJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ5でデータ出力したジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
パラメーター設定(カット)
カラー | 加工の種類 | パワー (%) | スピード (%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
赤 | カット CO2 | 100 | 1 | 1000 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | - | - |
ヒント
加工テーブル上の空きスペースを材料とは別の紙で覆うと、バキュームテーブルの吸引力が強くなり加工品質をアップすることができます。
ステップ7:デザインのデータ出力(花)
最後にデザインデータ(blossoms wood veneer)をレーザー加工機用データ(=ジョブ)に出力して、抽象的な花を作ります。
印刷 > Trotec Engraver > 環境設定 > 出力設定
印刷のデータ出力設定
印刷設定(加工オプション)
加工モード | 解像度 | カットライン |
---|---|---|
カットジョブ | 1000 dpi | なし |
ハーフトーン調整 | その他 |
---|---|
- | 高度なジオメトリ 最初に内部ジオメトリ |
ステップ8:レーザー加工(花)
メープル合板を加工テーブル上にセットします。加工テーブル上の空きスペースを紙などの別の材料で覆い、バキュームテーブルの吸引力が強くして、加工品質をアップさせます。
次にJobControl(ジョブコントロール)レーザーソフトウェアをPC画面に表示し、ステップ7でデータ出力したジョブをJobControlのプレート上に配置します。それからJobControlの「材料テンプレート」を開いて、下記のパラメーターを設定します。パラメーターの設定後、レーザー加工を開始します。
パラメーター設定(カット)
カラー | 加工の種類 | パワー (%) | スピード (%) | 周波数(ppi/Hz) |
---|---|---|---|---|
赤 | カット CO2 | 100 | 1.2 | 1000 |
パス(繰返し) | エアアシスト | Zオフセット | アドバンス |
---|---|---|---|
1 | on | - | - |
ヒント
板材全面をカットする場合は、厚さ補正のために材料の中心で焦点の位置決めを行ってください。
ステップ9:組み立て
ベースプレート(台)に茎を取り付けて、花を飾りつけます。大小の花を交互に取り付けるとよいでしょう。最後に葉をベースプレートに取り付けます。これで独創的な母の日のブーケが完成です。
ハンドクラフトのヒント
葉のパーツをねじるとアイキャッチになります。ベンチバイスまたは耐熱性のホルダーに葉を固定してひねります。写真のように手袋をはめ、ホットエアーガンで慎重に葉に熱を当てます。熱くなったアクリルをねじって変形します。アクリルが冷えて固まるまで、手で押さえている必要がありますので、手袋は必ずはめてください。
もっとアイデアをプラス!
サテン調やフロスト加工(艶消しタイプ)のアクリルを使ってアレンジしてみましょう。花のパーツは、端材を活用してもよいでしょう。その他、様々な色や種類のアクリルと木材を使って、独創的なブーケを作ってみてください。