二層板(ラミネート)をレーザー加工するヒント

トロテック・レーザーで二層板を上手に加工し、最高の仕上りにするヒントとコツをご紹介します。

ご紹介する内容は、トロテック商材の二層板 “TroLase” をパラメーターテストした情報に基づいています。

※トロテック商材は、日本では販売しておりません。類似品で加工する際にご参考ください。


二層板はどのような用途に使用されますか?

看板の製作に最適

二層板はレーザーで表面の層を削ると2番目の層の色が見える構成です。一層目と二層目の色のコントラストが強く、レーザー彫刻するとビジュアル的にとても目立つので、二層板は様々な看板の製作に最適です。また二層板同士を組み合わせて製作すると、特殊効果やオリジナリティがアップします。デザインは無制限です!ビデオを参考に二層板でオリジナルタグを作ってみましょう。

簡単に作れるオリジナルのステッカー

トロテック商材には、TroLase FoilsとTroLase Thinsというツートーンステッカーがあります。このステッカーは、粘着シールになっているので、レーザーで上の層をハーフカット(キスカット)加工して、上の層を剥がすとシールのように使えます。ハーフカット加工により下の層はカットされませんので、上の層を簡単に剥がすことができます。写真のようにレーザー彫刻で文字やロゴなどのデザインを入れて、好きなカタチにハーフカットすれば簡単にオリジナルのシールやステッカーが製作できます。


二層板を適切に加工するヒント

1.   正しい加工テーブルの選択

二層板を正しく彫刻するには、適した加工テーブルを選択することから始まります。二層板の加工にはアルミニウム カッティング グリッド、またはアクリル カッティング グリッドの加工テーブルを推奨します。また加工の際は、二層板を正しい位置にセットし、バキューム効果を上げるために空きスペースがあれば別の材料で加工テーブルを覆います。

2.   彫刻の方向

排気ホースがマシン背面の上部に接続しているので、二層板は下から上への彫刻を推奨します。下から上への彫刻で、加工済みのエリアをクリーンに保ち、二層板のメインの層(2番目)の変色を防ぎます。この加工方法は特に、下の層が明るい色で上の層が黒い色の二層板に適しています。

3.   解像度500dpi以上

正しい解像度を選択することもまた、材料やデザイン、そして加工時間を左右し、加工の仕上りにとても重要です。トロテック商材の二層板 TroLase の場合、中解像度の500dpiを推奨します。この解像度なら細かい彫刻も綺麗に加工できます。但し、解像度が高ければ高い程、加工時間が長くかかりますので、注意してください。

4.   2インチレンズの使用

二層板の彫刻には2インチレンズの使用を推奨します。2インチレンズを使うと、広い加工面を高品質で彫刻できるだけでなく、小さくて細かいデザインも綺麗に彫刻できます。それはこの2インチレンズの焦点距離が長いことに加えて、繊細なディテールの加工にも十分に対応できる万能レンズだからです。したがって厚みのある二層板もこの長い焦点距離のレンズでカットすることができます。

彫刻とカットに適した口径の大きいショートノズル

5.   口径の大きいノズル

二層板には、口径の大きい7mmノズルを使用します。口径が大きいとエアーアシストの噴射量を抑えることができるので、加工で溶けたばかりの材料部分が急速に冷却するのを防ぎます。もしエアーアシストが強すぎると、明るいグレーのような彫刻になってしまいます。またエアーアシストもレンズの寿命に重要です。それは、エアーの噴射によって、細かい粉塵がレンズに付着するのを防ぐことができるからです。

6.   広いエリアの彫刻にはZオフセット

レーザーで広いエリアを彫刻する場合は、Zオフセット機能を使って焦点をずらして加工します。レーザー加工機の出力(パワー)と加工するデザインにもよりますが、2~7mmの間でZオフセットを設定します。焦点をずらすことで、溝のような彫刻を避けることができ、表面が滑らかな仕上りになります。そしてここでもまたレンズが重要な役割を果たしています。広いエリアの彫刻には焦点距離の長いレンズを使用します。但し、4ポイントのフォントなど、非常に細かいデザインを彫刻する場合には、Zオフセットの使用はお薦めしません。

7.   材料のクリーニング

一般的にパラメーターが正しく設定されていれば、粉塵の発生は少なく、後処理もわずか済みますが、二層板を加工するとどうしても上層部が削れるので削りカスが付着します。その場合、湿らせた布かウェットペーパーで、表面の残留物をふき取ってください。もし残留物が取れにくい場合は、アルコールフリーのクリーナーを使ってふき取ってください。クリーニング後は綺麗な二層の仕上りが出てきます。


レーザーパラメータの決定 - グレースケールマトリックス

理想的なパラメーターの設定

トロテックの商材には、トロテックのエキスパートが最高の仕上りを追求してテストし、集約した最適なパラメーターが用意されています。下記よりダウンロードしてご利用ください。

トロテック商材用レーザーパラメーター

※これらのパラメーターは参考値です。必ず加工テストで仕上りを確認し、必要に応じて値を調整してください。

新しい材料や製品を彫刻する際は、イメージ画像のようなグレースケールマトリックスの作成をお薦めします。このグレースケールマトリックスを材料毎に作成しておくと、簡単に理想的な彫刻のパラメーターが設定できます。

「レリーフモード」を使って、好みの濃淡をレーザー彫刻で表現する方法

※グレースケールマトリックスの作成方法を掲載しています。

トロテックの二層板は、オリジナルから標準品の製作まで様々なアプリケーションに対応できます!

トロテック商材 “TroLase”シリーズの二層板は、室内や屋外の両方に使用できます。また種類が豊富なので、独創的な作品や標準仕様の商品の製作に対応できます。カラーバリエーションや厚みの種類も豊富です。2層だけでなく3層の板材もあります。また様々な天候や環境に対応できるように表面加工した二層板もあります。トロテックの商材は、レーザー加工用として特別に製造された材料です。二層板だけでなく、木材、アクリル、紙など豊富にラインナップしていますので、ぜひご希望の材料を探してみてください。

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