ポップアップカードの作図方法(レーザー加工用)

使用ソフト:イラストレーター

レーザー加工で作成したポップアップカード
二つ折りのカードを開くと中から立体的な紙が飛び出してくるポップアップカード。ポップアップカードは、メッセージやロゴを目立たせたり、図形などを立体的に表現でき、カードを開いた人を楽しませてくれます。 トロテックのレーザー加工機を使えば、このポップアップカードが簡単に作れます。ここではイラストレーターを使ったポップアップカードの加工用デザイン作成方法をご紹介します。

レーザー加工で作成したポップアップカード

ポップアップカードの用紙

ポップアップカードには、少し重さのあるしっかりとした紙(例:150g)で作成すると、カード自体が安定します。


ステップバイステップ

レーザー加工用ポップアップカードのイラストレーターデータ

ステップ1:新規ファイルの作成とデザインの配置

カードのデザインに3D効果を追加していきます。先ずイラストレーターでA4フォーマットの新規ファイルを作成します。次にドキュメントの中央に青で平行な直線を描き、カードの折り目を作図します。中央にサンプルのグラフィックデザイン(AIデータ)を配置します。グラフィックデザインの輪郭のカットラインは赤、彫刻部分は黒の色に設定します。

重要

  • ドキュメントのカラーモードはRGB設定にしてください。
    (ファイル > ドキュメントのカラーモード > RGBカラー を選択)
  • カットライン(赤)は、線幅 0.003pt または0.001mmに設定してください。

※参考:Adobe Illustrator®を使ったレーザー加工の仕方

ヒント

色設定には事前にトロテックのカラーパレットをイラストレーターに埋め込んでおくと便利です。
※トロテックのカラーパレットは「取扱説明書」よりダウンロードできます。


レーザー加工用ポップアップカードのイラストレーターデータ

ステップ2:ラインの定義

デザインを配置したら、ポップアップするようにデザインを調整します。ツールパネルから「はさみツール」(ショートカットのC)を選択し、中央に引いた青いラインのパスを切断してセグメントに分け、ラインの上にデザインがくるようにします。デザイン下の必要のないラインは削除します。この青いラインは、カードを二つ折りにする際の谷折り線になります。

次にツリーデザインの谷折り部分も青いラインで定義します。再び「はさみツール」を使って、ツリーの輪郭のパスを切断し、ツリー底辺のラインを青にします。

カード中央とツリー底辺に定義したこの青のラインは、レーザー加工でカットされるのではなく、きちんと谷折りができるようにレーザーで折り目加工されます。

ヒント

表示のスマートガイド(ショートカット:CTRL + U)をオンにすると、オブジェクトを作成または操作する時に一時的に黄緑のガイドが表示されます。この機能は「はさみツール」を使う際に便利です。例えば、オブジェクトを移動する際に黄緑のガイドが表示されます。また、2本線が交差する箇所にカーソルを移動すると、黄緑の文字や+マークが表示され、アンカーポイントをスナップします。


レーザー加工用ポップアップカードのイラストレーターデータ

ステップ3:飛び出す長さの定義

このステップは最も重要な作業です。ポップアップカードのツリーがどれくらい飛び出せるか、押し出しの長さを定義します。先ずツリーの底辺から中央線まで長方形を描きます(中央線下のa、b、c参照)。この線の長さがツリーの飛び出し部分になります。つまりポップアップする奥行の長さです。

長方形の幅は、このデザインの場合、飛び出し部分をツリーのトップに付けるため狭くなっていますが、後でこの部分が簡単に切れたりしないように、少なくとも2.5mm以上の幅にしています。このデザインでは高さの違う3本のツリーがありますので、ツリーの底辺から中央線まで長方形を描いて、それぞれのツリーに合った長さの飛び出し部分を作成してください。この飛び出し部分は、次のステップ4で、写真のツリー上部の赤い棒部分(a、b、cの横の長方形)になります


データ出力のための印刷設定

ステップ4:オブジェクトの合体

ステップ3で作成した飛び出し部分をツリーのトップに移動します。飛び出し部分(長方形)の塗りをなしにして、赤のカットラインのみに置き換えます。次にパスファインダーの「合体」を使って飛び出し部分とツリーのオブジェクトを合体させます。飛び出し部分(長方形)の上下に折り目の青ラインを引きます。上が谷折り、下が山折りの線になります。この長方形の長さが変わらないように合体する前に上下のラインを青にしてもよいでしょう。

最後に完成したドキュメントに緑で線を引いて、カードの外寸(外周ライン)を作図します。外周は、赤のカットラインよりも速いスピードでカットできます。

これでレーザー加工用のデザインが完成しました。このファイルをJobControlレーザーソフトウェアでデータ出力し、パラメーターを設定します。レーザー加工機に紙をセットして、レーザー加工をスタート。レーザー加工機のカットと彫刻で、オリジナルのポップアップカードの完成します。



ダウンロード

※デザインPDFは、CorelDRAWまたはIllustratorのグラフィックソフトウェアで開いてください。
※JobControlのパラメーターをインポートする際、データベースに同じファイル名が既存している場合は上書きされますのでご注意ください。(使用機種:Speedy 400, 120W)

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