フラットベッドレーザーとガルバノレーザーの違いは?

フラットベッドレーザーと
ガルバノレーザーの違いは?

レーザー加工機の基本的な仕組みは、発振器で生成されたレーザー光がミラー(鏡)に反射してマシンのヘッド部に運ばれます。ヘッド部のレンズでレーザー光を集光して、加工テーブル上の対象物(材料)に照射されます。

レーザー加工機は、この照射方法によってフラットベッドレーザー*1ガルバノレーザー*の2種類に大きく分類されます。フラットベッドレーザーは、レーザー光の光路を決めるミラーが全て固定されているので、ヘッド部が加工エリア内をX軸とY軸方向に移動して材料にレーザー光を照射します。一方、ガルバノレーザーの場合、レーザー光を照射するヘッド部が固定されていて、ヘッド部内のミラーがレーザー光の光路を走査します。この2種類のレーザーは構造自体が全く異なっているため、特長別にどちらのレーザー技術が用途に適しているのかをご紹介します。

*1 フラットベッドレーザーは、その構造からレーザープロッターとも呼ばれています。
*2 ガルバノレーザー(英語名:Galvo Laser)は、ガルボレーザーとも呼ばれています。


異なる設計概念

先にも説明した通り、フラットベッドレーザーとガルバノレーザーでは、レーザー光が材料に照射するまでの光路、つまり照射方法が全く異なります。レーザープロッターの内部では、レーザー光が固定式のミラーを反射してヘッド部に送られ、ヘッド部自体がX軸とY軸方向に移動します。最終的にレーザー光はヘッド部のレンズを通って収束するので、材料に対して垂直にレーザー光を照射できます。このX-Y軸プロッターはマシンの筐体内に設計されているので、マシンが大きければ大きいほど加工エリアも広くなります。

ガルバノシステムでは、低慣性の2つのミラーが適切な角度に回転することで、レーザー光が狙った位置に照射されます。この2つのミラーを動かしているのがガルバノメーター駆動装置です。加速度運動する質量が極めて小さいため、レーザー光を材料に高速で高精度に繰返し性が高く照射できます。また、マーキングエリアの範囲は、光学装置の反射する角度と焦点距離によって決まります。

 フラットベッドレーザーとガルバノレーザーの仕組みの違いを、動画でご覧いただけます。※ナレーションは英語です。


長所と短所

フラットベッドレーザーとガルバノレーザー、このどちらがご希望の加工に適しているかどうかは、それぞれの特長によって異なります。2種類の特長を理解して、どちらのレーザー加工機が目的の用途に合っているかを判断してください。

加工エリア

フラットベッドレーザー

通常、フラットベッドレーザーの加工エリアは、ガルバノレーザーよりも大きい領域を保有しています。トロテックのレーザー加工機では、最大3 x 2 mまでの加工エリアをもつ機種をラインナップしています。大判サイズの材料を加工エリアにセットできれば、大きなパーツの加工はもちろん、小さなパーツも大量にカットや彫刻することができます。加工エリアの大きさはマシン自体の大きさによって決まりますので、マシンの筐体が大きければ加工エリアも拡大します。さらに、パススルー機能がある機種は、加工エリアよりも大きな材料を挿入することができます。

ガルバノレーザー

トロテック・ガルバノレーザーの加工エリアは、ファイバーレーザーで最大310 x310 mm、CO2レーザーで最大500 x 500 mmです。これはレタリング領域だけを対象にした値です。ガルバノレーザーをワークステーションタイプのX-Y軸システムに設置すれば、加工エリアを約1100 x 600 mmまで拡大することが可能です。ガルバノレーザーは筐体なしでも稼動することが可能なので、筐体にパススルー機能や取り外し可能なサイドパーツがなくても、筐体より大きな材料にマーキングすることができます。


オペレーションと加工速度

フラットベッドレーザー

フラットベッドレーザーは、通常、独立型のレーザー加工機として使用されます。つまり、他の機械や装置とは連結せずに単体で稼働します。作業フローは、レーザー加工機に材料をセットし、加工テーブル上で加工した後、蓋を開けて加工済みの製品を取り出します。作業時間は材料と加工の種類、加工データによって異なりますので、わずか数秒で加工が終わることもあれば、数時間要することもあります。また複数台のマシンを一人の作業者で操作することもあります。2台以上のレーザー加工機を導入すれば、1台のマシンが加工処理している間に別のマシンに材料をセットしたり、加工済みの材料を取り出したりできるので、効率的に作業が進み、生産性をアップできます。

ガルバノレーザー

ガルバノレーザーは、高速のレーザー加工が可能です。通常の加工なら数秒以内に完了します。ラウンドテーブルタイプのセミオートのバージョンを使用すれば、読み込みとアップロード時のダウンタイムを削減することができ、稼働効率をさらにアップさせることができます。また、ガルバノレーザーは小型設計のため生産ラインへの統合に適しています。完全自動化の生産ラインに組み込めば、大量の部品や材料を短時間で加工できます。レーザー装置への部品や材料の供給も、コンベヤーベルト式のハンドリングシステムによって自動化が可能です。


レーザーソフトウェア

フラットベッドレーザー

トロテックのフラットベッドレーザーには、操作が簡単で便利なレーザー加工機専用のソフトウェア「JobControl(ジョブコントロール)」が標準装備されています。グラフィックソフト(例:CorelDraw、Photoshop、Photopaint、AutoCAD、Adobe Illustrator、Word、Excel)のデザインデータを、プリンターのドライバ経由でデータ加工機用データ(=ジョブ)に出力し、JobControl画面上にドラッグ&ドロップして操作します。

詳しくはこちら↓
フラットベッドレーザー用のレーザーソフトウェア「JobControl(ジョブコントロール)」

ガルバノレーザー

ガルバノレーザーにも高性能でありながら、柔軟性と操作性に優れたソフトウェアが標準装備されています。このソフトウェアによって、連携かつ独立した高度なプログラムを作成することができます。シリアル番号のカウント、タイムスタンプ(日付・時間の刻印)、リストの処理、変数の取り扱い等、特別なプログラミングの知識がなくても操作できます。

詳しくはこちら↓
ガルバノレーザー用のレーザーソフトウェア「SpeedMark (スピードマーク)」


レーザーカット

フラットベッドレーザー

フラットベッドレーザーは、レーザー光が常に材料に対して垂直に照射される方式「フライングオプティクス」で設計されています。特に厚い素材(例:アクリル、MDF、木材)をカットする場合は、このフライングオプティクスによって真っすぐな切断面が実現でます。さらにトロテックのレーザー加工機は自社開発の高精度な加工技術によって、高品質の仕上りを提供します。例えば、アクリルは美しく滑らかなカット面で加工し、カット後も洗浄、研磨やバフ掛け、バリ取り(切断した歯の後を整えること)などの後処理が不要です。したがって、組み立て等の次工程にも効率よく進むことができます。

ガルバノレーザー

ガルバノレーザーの一番の強みは、加工スピードの速さです。そのスピードを最大限に活かせるのは、紙やアルミ箔などの薄い材料へのカット。用途によっては、フラットベッドタイプの約10~65倍の速さで処理できます。また、レーザー光の材料表面に対する照射の強さは、照射角度によって強くなったり、弱くなったりするので、厚みのある材料をカットすると切断面の角度の違いが目でみてわかるでしょう。


アクセサリーとカスタマイズ

フラットベッドレーザー

レーザー加工機で最高品質の仕上りを求めるなら、材料や用途に適したアクセサリーが必要です。トロテックは、全てのレーザー加工に最適なスペックを提供するために、豊富なアクセサリーをラインナップしています。中でもフォーカスレンズ加工テーブルの選択は特に重要です。レーザー光が集光するフォーカスレンズは、インチ別のサイズによって焦点距離が決まります。加工テーブルは加工エリア内の空気の流れやレーザー光の反射を抑える役割に影響します。

ガルバノレーザー

ガルバノレーザーは、カスタマイズが必要な特別な加工プロセスに導入されるケースが多いです。したがって、シリアル番号のカウント、タイムスタンプ(日付・時間の刻印)、リストの処理だけでなく、ERPシステムへの統合も可能です。トロテックのガルバノレーザーなら高レベルの自動化を実現できるので、マーキング加工とスループット・タイムに効果を発揮します。


トロテックのレーザー加工機

フラットベッドレーザー(レーザープロッター)

Speedyシリーズ

(コンパクト・ミドルサイズのレーザー)

SPシリーズ

(大型サイズのレーザー)

  • レーザータイプ:CO2レーザー、ファイバーレーザー、flexx レーザー
  • フラッドベッドタイプのレーザー発振器は、通常、CO2レーザーとfiberレーザーの2種類です。さらにトロテックは、この2種類のレーザー光源を1台のマシンに統合したflexx(フレックス)モデルを製造・販売しています。このモデルに搭載されたflexxテクノロジーは、トロテックが業界で初めて製品化に成功した独自の開発技術です(特許取得済み)。トロテックのflexxレーザーなら、PC上のパラメーター設定で、CO2レーザーとファイバーレーザーを自動で切り換えることが可能なので、それぞれのレーザータイプに適した材料を加工テーブル上に全て並べて一度に加工できます。例えば、CO2でアクリルのカットと木材の彫刻、ファイバーで金属のマーキングが、マシンを止めることなく一つの工程で行えます。
  • プリンタードライバーが付属した、レーザー加工機専用のレーザーソフトウェア「JobControl(ジョブコントロール)を標準装備。写真彫刻に必要な画像処理も出力設定で自動変換できます。
  • 小ロット・オリジナル生産に適したコンパクトサイズのエントリーモデルから、世界中で最も汎用性の高いミドルサイズ、そして三六判などの規格サイズのパネルをそのまま加工テーブルに積載可能な超大型のCO2レーザーカッターまで、幅広い加工エリアのフラッドベッドタイプをラインナップしています。

ガルバノレーザー

SpeedMarkerシリーズ

(高速マーキングレーザー)

ProMarkerシリーズ 

(高速レーザーマーカー)

  • レーザータイプ:ファイバーレーザー、CO2レーザー
  • 焦点の柔軟性が優れているので、製品が100%平面ではない場合の加工にメリットがあります。
    例:工具・道具、宝飾品、時計、機械部品、医療用インプラントや医療機器、広告製品など
  • 金属への深い彫刻が可能
  • 黒いアルマイトの加工が可能
  • スチールに同じ色を再現可能
    ※ガルバノレーザーは、現在、日本では販売しておりません。

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